――日本とのテクニック的な違いをお感じになられますか?

相根 今矢くんが言っていたように、日本人は本当に上手いし、世界のトップに立てる候補もたくさんいる。だけど小手先だけのテクニックに頼っている人がたくさんいて、国内の大会などではそういうところにフォーカスされて評価されちゃっていますね。それで結局、気持ちがゴールに向かわずに、テクニックを魅せる、という事が目的になっちゃっている様にも感じます。

今矢 ヨーロッパでは選手を評価する基準は、まず身体能力あるのか、本当に真剣に取り組む姿勢があるのかといったところなんです。ですが、日本ではテクニックがあるかどうかが先なんですよ。それはサッカーから全体から見れば、必要なことですが一部分です。テクニックよりヨーロッパでは高い、速い、強いの方が絶対評価されるんです。

相根澄&今矢直城プロフィール

相根 日本人の方が絶対テクニックはあるんです。だけど、フットサルのコートは40m×20mですが、海外の選手は40m離れたところからほぼ100%の確率で、正確なパスを蹴ることができる。もちろん、やまなりのボールではなく、しっかり蹴って速いボールでミスをすることがほとんどない。日本人は10本中7〜8本くらいしかコントロールできないんですよ。

しかもそれは、さっき言ったように、かかってるプレッシャーが全然違う状態で、の話です。

 

今矢 そう、試合で必要なテクニックというのはまた違うんです。

相根 日本人は経験が足らない。もっと経験してほしいと思っています。例えば、フットサルの日本代表対オーストラリア代表が試合すると、日本の選手はオーストラリア人に手を使われたらなかなか進めない。フィジカルの差は圧倒的ですから。でも、まともにぶつかって押さえられてしまうのであれば、頭を使って考えて、押さえられないスペースを作ってからドリブルをする。予備動作が必要なんです。

今矢 サッカーも同じで、普段は日本人同士でしか試合をしていないから、海外の選手と対戦したときにどう対応して良いか分からなくなってしまうのかもしれない。育成や審判にも問題があるのかもしれませんね。



――日本の選手がこういうところ身につければ海外との差が縮まると思うことは?

相根 やはり全力でやること。全力とは自分の持っているものをすべて出すことです。上手い選手にボールを取りに行ったら交わされてしまうと引いて守っている選手もいますが、そこは100%の力で取りに行って欲しい。攻めでもドリブルでもそういう気持ちでやってほしい。日本人は素質もあるし、頭も良くて技術もあるので、そういう気持ちを持てば強くなれると思います。

今矢 サッカーはやはり戦争なので、強くないといけない。戦えなければ使ってもらえないんです。日本人が上手いのは外国人も知っているから、潰しにくると思うんですよ。日本人も同じくらい強くなれれば、絶対に通用します。相手がチェックに来るのが分かっていれば耐えられる。本気でタックルされても交わせる。練習中からそういった雰囲気を作れば、海外のチームと対戦したときにも力を出せると思うんですよ。

 

 

――フットプロムのどういったところに可能性を感じますか?

相根 広い意味で見ると、フットプロムはフットサルのため、サッカーのためにもなると思いますよ。海外を経験して、世界のレベルを知っているからこそ、日本人選手が世界で戦っていくために必要なことがわかるんです。フットプロムは、フットサル界、サッカー界を変える、世界ランクを上げていくことにも役立っていくはずです。

今矢 実は、フットプロムをやろうとお声掛けを頂く前に、僕自身も同じようなことを企画していたんです。自分の選手時代の経験から、1対1で強くなることが物凄く重要だという事は感じていましたし、日本に足りない部分もそこにあると思っていましたから。

日本のサッカー界、フットサル界が強くなるのに、1対1は間違いなく必要ことだと思っています。だから、フットプロムが広まっていくのは間違いないと思っています。

――フットプロムのどういったところが良いと思いますか?

相根 まず1対1なので自分が引いたら負けてしまう。それに2対2、3対3でプレーしたとき、横パス出すことはよくありますが、そのパスが戦って出しているのか、怖いから出しているのかは大きな違いです。1対1で強くなった後に、2対2や3対3をやって、パスを出さずに自分でガンガン勝負していって、味方に「パスを出せ!」と言われる人がいっぱいでてきてもいいんじゃない。

フットプロムはそのためのきっかけになると思います。ゴールが3つありますし、相手を抜く方法もいろいろある。いろんなことを考えながらプレーできることは大きいですね。フットサルはサッカーよりフィールドが小さくて、パス一本も工夫して出さないと通らないんです。パスを出さずに相手を引きつけて、股が空いたところでパスを出すとか、頭の中で工夫することは大事ですね。だからフットプロムで、1対1で対戦して頭の中で工夫する準備、クセを付けることは非常に良いことだと言えますね。

今矢 現役のとき自分が一番練習したのが1対1でした。1対1で抜けるとチャンスメーカーになれますよね。また、サッカーやフットサルはゴールを多く決めた方が勝ちです。ポゼッションで勝負が決まるわけではない。

 

ですから、ゴールにこだわるトレーニングにもなると思います。

さらに、どうやったら相手を抜けるのか、より効果的なプレーがどうしたらできるのか。スピード、考える速さ、ドリブルテクニック、ボディバランス、逆にDFの練習にもなるし、パスを出すことがないのでチャレンジするという気持ちも育まれますね。

 

――フットプロムをやるとチャレンジ精神が育まれると。

相根 そうですね。何においても、扉を開けて1歩踏み出すことが大事です。転んでケガするかもしれないけど、外に出たからケガしたわけでそれはチャレンジです。

 

後輩でセリエAを目指してイタリアに来た選手がいて、結局セリエBでしかプレーできませんでした。それで「あいつダメじゃん」という言う人がいますが、そう言っている人は何もチャレンジしていない人です。チャレンジしないと何もおきませんよね。1対1のフットプロムをやるとハートを鍛えることができると思います。

すぐには実感できないかもしれませんが、それが考える力・生きる力を育てることにつながっていくんじゃないかなと思います。

今矢 やっぱり“生きる力”が一番必要だと思うんですよね。

海外行って一番思ったのは、文化、人種、宗教の違いがあるんですけど、サッカーボール1つでみんなつながっている。サッカーはすごい。ケンカもたくさんしたんですけど、仲良くなるときはそういった違いに関係なく仲良くなれる。フットプロムを真剣に、海外の選手や子供たちともプレーできれば最高でしょうね。サッカーやフットサル、そうフットプロムはそういったスポーツだと思いますね。

 

 

 

――最後に、海外に挑戦したお2人から、これからチャレンジするプレーヤー達や子どもたちにメッセージをお願い致します。

相根 「地面に倒れるな」ということを言いたいですね。体を強くするためでもあるけど、気持ちも強くなれる。倒れてしまうと攻めていても守っていても負けを認めてしまうことになる。子どもは楽しくプレーすることも大切ですが、「絶対倒れるな。たとえ転んだとしてもすぐに立ち上がれ」と。

今矢 海外でプレーすることを夢見る人は非常に多いと思うんですが、本当に甘いものではないです。覚悟していかないと、絶対に成功しない。だけど、学ぶことも多いのでもっともっと若い選手たちは海外に行ってほしいですね。僕は現役を引退してしまいましたが、チャレンジし続けないと生きている意味がないと思っていますので、人生にチャレンジしていきたいと思っています。特に子どもたちには、もっと、もっとチャレンジしてほしい。「海外でプレーしたい。W杯に出たい」という夢にチャレンジしてほしいですね。

 

 

文:斉藤 健仁

 

 相根澄‐footprom-

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